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今日も風呂後トイレに行った

※実際はシャワーばかり浴びるし、身になる話は何もない

100年の恋も冷める話

してみむとてするなり

 100年恋しようが万年恋しようが、冷めればそんな年月はないのと同じである。
 でも冷めたって次に進めるならそれでいいのではないか。

 浅草橋にある「たいこ茶屋」に大変強い興味を持ってしまった。
 ツイッターなどのSNSで拡散されまくっている有名店で、なんとランチ時には海鮮バイキングができるんだとか。
 具材にいくらがある日ならいくらをつやつやの白米の上にたぱたぱ盛り放題できるんだとか。
 もし「生の魚卵の中でも鮭から取れるものなら何が好き?」と聞かれたらいくらと答えるほどいくら好きである。

 そんな大人気店、土日は絶対入れないから平日休みのときがあったら行こうと決めて早数ヵ月、ついにときは来た。ありがとう土曜出勤、ありがとう代休。

 前日夜からはやる胃袋をおさえつけ、当日は11時に店につくよう向かった。ランチは11時30分開始で平日だし大丈夫だろうと思った。
 一緒に来たグッチの眼鏡の人といくらたぱたぱしたいね~たぱたぱ~などと言いながら駅から歩くも不穏な人だかりが。
 なんだあの人だかり……お店の位置的にあのへんはもしや……あ、ああー、そうですよね、もう20人弱並んでますよね、ですよね。
 整理券を配っているおじさんがいたが研修中らしくアテンドがたどたどしい。アテンドがあまりうまくないと急速に気合いがなくなるたちである。一応整理券はもらったが「13時半からですが13時ごろ来てください」という。
 いくらたぱたぱのために8時には起きて胃袋のウォームアップをしていた。それはもうおなかがすいていて、他のお店からあきらかにおいしいだしのにおいがする。13時半までおあずけとはこはいかに。
 とりあえず周辺散策開始。適当な大きい交差点で地図を見ながら予定会議。

 たぱたぱできない絶望にうちひしがれるトミー・ヒルフィガーの眼鏡とグッチの眼鏡。漂う「おなかすいたね」「うどんのいいにおいするね」オーラ。そこでグッチの眼鏡の人が言う。
「たいこ茶屋からここに来るまでおいしそうな構えのおそば屋さんあったよ」

 明治17年から続く老舗そば屋「京家」。馬喰町 そばでGoogle先生に聞いてもなかなかたどり着けない隠れた店。あらためてお店の名前を調べるためにGoogleマップであっちこっちである。お店の前に立つとそれはもう暴力的にカレーがにおいを発している。電車の中のマックポテト以上に暴力である。おまわりさんこっちです。

 京家のおそばはとてもおいしかった。
 鴨せいろを1枚と、もりとカレー丼のセットを注文。おそばはツルンとしていてのどごしがよく、なんとも瑞々しい。つゆで食べても鴨で食べても思わず声が出る。つゆでわさびを入れるとツルンとしながらツンと来てまた癖になるんだこれが。
 カレー丼はもう少し食べやすい温度だったら30秒くらいで飲んでいたかもわからん。結構辛口で溶けかけの玉ねぎがそこらに寝そべっている。合間に肉。そして米。こんな完璧な地層があるか。掘り返すだに肉、玉ねぎ、カレーそして米、それだけじゃないか。ゴッドハンドなんかあんなにいろいろな化石を発掘してお茶の間をわかせてくれたのに。

 値段は相場で量多めなのであまり胃の大きくない人は少なくしてもらうとよいかも。お店は特別広いわけではなく、来る人もゆっくりするのでお昼から少しずれた時間に行くのがおすすめ。

 という具合にたいこ茶屋に行こう! という気持ちはすっかり落ち着いてしまったけど、怪我の功名かいいご縁があってオッケーハッピーと思っている。おそば好きで能天気でよかった。